2010年08月13日

ツイッターノベル8/4〜8/10

この週に書いたことほとんど覚えてない。夏の暑さのせいにするほど暑さに苦しんでるつもりはない(クーラーは当然のように部屋にはないけど)。だけどきっと夏の暑さのせいだろう。今日も暑すぎてむしろ寒い。

8/4 128
 久し振りに隣町をぶらつくと随分と様変わりしていた。一番客が入っていたゲーセンが潰れ、古本屋は全滅し、交番は売りに出されていた。若い女性と酒を飲める店は乱立しているが、賑わっている様子はない。そもそも人が少ない。上空を通り過ぎる爆撃機がわざと不発弾を落としていく。

8/5 129
 滋賀でゲリラをしていた頃、パート傭兵のおばちゃんが、スナイパーの弾を避けるコツを教えてくれた。「ええか、こうきたら、こう!」コツを飲み込めない仲間が三人死んだ。小隊のうち生き残った僕とおばちゃん二人で、一晩中湖畔を這いずり回り、追手から逃れた。尻ばかり見ていた。

8/6 130
 急に三人も仕事に来られなくなった。十五人でする仕事を十二人でしなければならなくなった。初仕事だというのが五人いる。手が足りないらしく追加人員は無し。新人の内最低二人は途中で逃げ出すだろう。「興奮するよな」同僚の山口さんが言う。「ね」どうせ半数は生きては帰れない。

8/7 131
 窓に張りつくヤモリの向こうで花火があがる。夜中にも明かりを消さないから窓辺には虫が寄りつき、ヤモリは日に日に太っていく。遠くの小さな花火を見飽きてPCに向かうと破裂音がした。振り向くとヤモリが粉々になっていた。花火の光と音がいつの間にか重なっている。

※この日SF大会でお題ツイノベというのをやっていたらしいので便乗して。お題は「花火」。

8/8 132
 無駄毛処理をしている最中勢い余って切り落としたちんちんを見下ろしながら、明日から女として生きていかなければならなくなったのだから、化粧とか覚えた方がいいかしら、などと考えたが、ちんちんがない男というだけで、性別が変わるわけではなかった。寝て起きたら生えてたし。

8/9 133
 ご主人の容態のことで大切な話があります。大変言いにくいのですが、「隣の客はよく柿食う客だツアー」に参加されていたご主人はバスガス爆発に遭い、内臓が蛙ぴょこぴょこみぴょこぽこになっています。入院するので青パジャマ赤パジャマ黄マジャマを用意しておいてください。

8/10 134
 半魚人が「娘さんを僕に下さい!」と言ってきたら「お前みたいな半人前に娘はやらん!」と言えるのだが、娘と付き合うのは三分の二鳥人や五分の三馬人ばかりで機会が巡ってこない。馬人の時は「どこの馬の骨かわからん奴に……」と言えたが、家系図を持ち出して説明されてしまった。

posted by 泥辺五郎 at 10:19| Comment(0) | TrackBack(0) | ツイッターノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月08日

リフティング・モンキーズ


ツイッターノベル置き場でしかなくなってしまうのも寂しいので更新報告。泥辺五郎短編集に『リフティング・モンキーズ』追加してました。私小説です。http://neetsha.com/inside/main.php?id=6557

仮タイトルで途中まで書く-翌日、題名を思いつく-題名に沿ったエピソードを追加する、という流れ。このタイトルお気に入り。

あと飽きてきたのでカミングアウトしますが、ニートノベルの『ソフトBL小説集』http://neetsha.com/inside/main.php?id=8805 の作者、山下チンイツは僕です。ついでにこちらは既に何人かにはバレバレだったみたいですが、『新都社で人気作家になるための手引書』http://neetsha.com/inside/main.php?id=8207 の新都社モラトリアム新書も僕です。そろそろ更新します。

最近読んだ小説では、平野啓一郎『ドーン』、リービ英雄『仮の水』、磯崎憲一郎『終の住処』、みんな面白かったです。
posted by 泥辺五郎 at 18:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年08月07日

ツイッターノベル7/28〜8/3

いつの間にか八月になっていたように、いつの間にか九月になっていて涼しくならないかな。

7/28 121
「貴方のフォロワーの変態率は95%。その内の三人は貴方の恋人になります」馬鹿げたツイッター診断だが、そう言われてTLを眺めると、殆どが変態に見えてきた。「三人誰?」と呟くと六十人が反応した。既に付き合っている五人は揃って「俺は残りの5%か」などととぼけてやがる。

※ツイッター診断メーカーで「あなたのフォロワーの変態率」http://shindanmaker.com/35179 を作成した際の作。雑な仕事で、名前入りで作成しなかっために修正も出来なかったのに、三万人超に診断された。

7/29 122
近未来小説を書いていたが、「この時代にいまだマスコミが力を持っているのは変」と思い修正した。「性交も時代遅れ」と気付き部分削除。ようやく原稿を完成させたが「人類がまだ滅んでいないなんて、ちょっと荒唐無稽過ぎます」と、イルカとイカのハーフの編集者に駄目出しされた。

7/30 123
今年の夏は例年に増して人体発火現象の報告が多いので、小まめに水分補給して体内の水分を保ちましょう。特に乾燥し易いお年寄りと、走り回り他人にぶつかり、自らマッチの芯の役割を果たしかねない小さなお子様にはくれぐれもご注意下さい。火が体内に移ると消火器では消せません。

7/31 124
 「涼しいね」「ああ涼しいね」「もう秋だね」「秋だねえ」「今年の夏は短かったね」「寂しいね」「足りないね」「ね」「おや」「何?」「少し暑くなってきた」「蝉も鳴いてるね」「わくわくするね」「どきどきするね」翌日、揺り返しの酷暑に灼かれて路上で蛙が二匹干からびていた。

※草野心平の詩『秋の夜の会話』http://www.asahi-net.or.jp/~pb5h-ootk/pages/K/kusanosinpei.html のパロディ。

8/1 125
 自作ツイノベを原作にして短編小説を書いていた。しかしどう料理しても、131文字しかない原作を越えられない。話を変えても同じこと。別物だから、と最初は考えたが、原作抜きで書き始めてもろくなものが出来ない。いつの間にか、長い文章で小説を書く術を忘れてしまっていた。

8/2 126
 財布の中身=全財産だ。二千円を切ると身動き出来ない。そうなる前に何とか小銭を稼いできたが、仕事がなくなった。体を売ろうとしたが貧相なおっさんに買い手はつかない。救いの手と思ったのは掏摸の手で、危うく全財産を取られかけた。そんな手にまで縋った。千円貸してくれた。

※このあたりから私小説風の作品が増える。

8/3 127
 隣の住人が吸う大麻の煙がヒビ割れた窓ガラスの隙間から入り込んでくる。ゲロまみれで居酒屋の前に捨てられていた女を拾ってきたのに服を脱がす気力もない。五回に一回は動き出すクーラーが今日は不発だ。ゲロを拭いたタオルを窓に貼り付ける。女の寝息が少し前から途絶えている。
posted by 泥辺五郎 at 17:02| Comment(0) | TrackBack(0) | ツイッターノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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