2010年07月14日

ツイッターノベル自選8編(100編突破記念)


 これまで書いてきたツイッターノベルが100編を越えました。ここまでおよそ三ヶ月。これを機に100編を何度か読み返し、自己評価をつけてみました。

S(大傑作)0編
A(かなり好き) 8編
B+(いいね) 20編
B(まあまあ)41編
B-(ちょっと物足りない)9編
C(読めた) 13編
C-(読むのちょっとしんどかった)7編
D(没にすべきだった)2編

 読み返しているうちに気づいたのは、自分の思想や経験を作品内に反映させすぎると、大抵悪い効果しか出ていないということ。この短さの中では、警句的な、説教的な部分が際立って、非常に鬱陶しく感じてしまう。それは作者の目で見るからそうなのであって、読者には意識されないことかもしれないけれど。

「現実」「虚構」「物語」「自分」というジャンル分けもしてみたけれど、これらの境目は曖昧。ただ、全体的に「物語」作りを指向していこうとは思う。

 8編は中途半端なのでB+評価の中から二編追加しようかとも思ったけれど、AとB+の間にははっきりとした差があって出来なかった。A評価の作品を思いついた時のことを思い出すと、「いいネタ浮かんだ!」という喜びではなく、「なんだこれは?」という驚きの方が大きかったように思う。
 そんなわけで、自選8編。


4/13 007
 工場跡地に捨てられていた赤子の泣き声が、二日続いた雨の後止んだ。けれど街には相変わらず大人達の泣き声が響いている。娼婦になりたいと呟く爺さんの上着についた血はまだ真新しくて、後ろを歩く黒犬の口は赤く濡れている。眠てえな、と誰かが呟き、死にてえな、と誰かが引き継ぐ。

4/17 013
 生まれつき左手薬指が欠損していたので、結婚出来ない運命だろうね、と散々言われて育ったが、三度結婚している。前の二人は、僕が君の薬指になるとか阿呆なことを言う輩で、そんな男を選ぶ私の目も悪いのだからうまくいかなくて当たり前だった。ちなみに今の夫の手には小指がない。

4/19 015
 メロスは激怒した。「パン買ってきて」とセリヌンティウスが言い出したのだ。「サークルKで六十円の菓子パンが二個で百円だから四つ買ってきて。一個あげる」と二百円を出したのだ。メロスは怒りを忘れて走り出した。自分の分はシュークリームにした。二人で仲良く食べ終えた。

4/28 024
 砂糖と塩を間違えるような気楽さで彼女は風邪薬と青酸カリを飲み間違えた。ついうっかり、と笑いながら彼女は布団に潜り込んで動かなくなった。翌日、風邪が治って元気になった彼女は「海で死のうよう」と私を誘ったが彼女に風邪を移されていた私は風邪薬を飲んで寝ることにした。

5/1 027
 木星のガスの中で眠っていた一頭の葦毛の馬が/風邪を引いて鼻をすすっている/という光景をキャンバスに描きながら/仲間達を全て見送ってきた老画家は/呆け始めた頭に刻まれた古い童謡を繰り返し歌っている/馬の瞳を描き入れたところで/空に浮かぶ木星のガスが一瞬かき消えた

5/5 031
 山寺の山頂に咲き誇る山桜の下で山姥と酒を酌み交わしてきた。彼女は五代目将軍の母で、寺を興した偉い人らしいが、執着心の余り死後山姥となり、坊主どもを時折抱きに来るという。若けりゃいいってもんじゃない、と彼女は言い、今朝掘ったばかりの筍を皮も剥かず丸呑みにした。

6/1 061
 弟が海で泳いでいる間に弟ではなくなっていた。背は縮み、瞼は一重から二重になり、歯は全て永久歯に生え替わっていた。親は、この年頃の子供が急に変わることは珍しくないといって気にしていない。海に弟を捜しに行くとすぐに見つかったが、いつまでも沖で泳いでいて帰ってこない。

7/7 099
 病んだ父の乗った古い車両が切り離されるのを見送り、私らは前の車両へと住み処を移す。電車で産まれ、電車で育った。窓の外に映る景色を指し「何で私らは降りられへんの?」と母に訊く。固く閉められていた窓を、母は少し開けた。景色は偽りだった。外には何もなかった。全く何も。

 
 四月を除けば月の前半の方が調子良く書けてるみたいだけど、この程度の数では参考にはならない。
 次は二百編越えた時に同じようなことをするのか、そこまでは書いていないのかは分かりませんが、いい加減その他色々なことを書き進めていきますね。



posted by 泥辺五郎 at 21:57| Comment(0) | TrackBack(0) | ツイッターノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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