2010年05月05日

ツイッターノベル4/28〜5/4

twitterの使い方が基本ツイッターノベル投稿場所となりつつある。最近ハッシュタグがちゃんと反映されて調子がよい。


4/28
 砂糖と塩を間違えるような気楽さで彼女は風邪薬と青酸カリを飲み間違えた。ついうっかり、と笑いながら彼女は布団に潜り込んで動かなくなった。翌日、風邪が治って元気になった彼女は「海で死のうよう」と私を誘ったが彼女に風邪を移されていた私は風邪薬を飲んで寝ることにした。

4/29
 基地のない街は静か過ぎて嘘臭い。戦車のキャタピラが道路を傷めることも、戦闘機の爆音が耳を刺すこともなく、兵士達が戯れに爆破する遺跡はそもそも存在しない。ここでは弱くても生きていける、と悟ると安堵より失望を覚える。声をかけてきた色男の小指を理由もなく折ってしまう。

4/30
 小説を書き続けて死んだ友人がいる。本当に彼が何か書いているのだと僕は信じていなかった。口先だけの男だと思っていた。だが遺された原稿は膨大な量で、完結しているものもあったが、出来に納得出来ていない旨が書き込まれていた。僕は彼のようになりたくはない。なれそうもない。

5/1
 木星のガスの中で眠っていた一頭の葦毛の馬が/風邪を引いて鼻をすすっている/という光景をキャンバスに描きながら/仲間達を全て見送ってきた老画家は/呆け始めた頭に刻まれた古い童謡を繰り返し歌っている/馬の瞳を描き入れたところで/空に浮かぶ木星のガスが一瞬かき消えた

5/2
 流局間際の最後の捨て牌、これまで場に三枚見えている北を捨てた。「ロン、国士無双」と上家が牌を倒す。呆然とする僕にさらに対面と下家が「ロン、大喜四」「ロン、字一色」とたたみ掛ける。あっという間に一日の勝ち分が吹っ飛んだ。ちなみに僕の手牌の残りも全て北であった。

5/3
 放蕩息子の帰還を待ち侘びている老夫婦の元には既に息子の死亡通知が届いているのに、彼らは文盲であったために希望を持ち続けている。手紙は竈にくべられ、言葉は煙となり消えていく。遺骨を届けにきた配達人を息子と取り違え、老夫婦は転び、這いながら路上に飛び出した。

(参考絵 ミレー『待つ人』)
matsu.JPG

5/4
 うちの本棚は中で眠れる。布団を持ち込むのが面倒な時は、柔らかい本の上に寝転がる。すらすら読める本は大抵柔らかいが、時には剃刀のように切れるものもあるから要注意だ。うちは階段を作り忘れた欠陥住宅なので、堅い本を階段代わりにしている。それらはほとんど読んでいない。


posted by 泥辺五郎 at 21:03| Comment(0) | TrackBack(0) | ツイッターノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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