2010年04月28日

ツイッターノベル4/21〜4/27


名作パロディ路線を続けるかと思ったらそうでもなかった。
ハッシュタグ「#twnovel」を貼っても貼っても検索結果に反映されなくなってしまった。反映されていた時と同じことやってるのに。


4/21
 兄のザムザを連れて散歩に出る。近所のおばさんから林檎を貰うが、兄は十六本の脚でいやいやをする。怖い者知らずの幼女が兄の背に跨り、古傷を抉っている。兄にはむしろ心地よいようで、キイキイと喜びの声をあげる。笑っていた彼女の顔が強張り、冷めた目をして兄から降りた。

4/22
 クラムボンが爆笑しているので今日は昼から蟹が降る。グスコードブリは火山観測を取りやめ、家で一日中発電所の設計図でも描きながら過ごそうかと考える。最近村に越してきた又三郎という少年が風に乗って舞っているので、「もうじき蟹が降るぞう」と、手を振って呼びかけた。

4/23
 僕がまだ生きていた頃に植えた柿の木が今年実をつけた。鳥に啄まれる前に慌ててもぎ取ったのを、もう少年とは呼べない息子が囓る。渋みに耐えかねて吐き出す様子を見た妻が「あの人みたい」と笑い、「親父の柿か」と息子は独りごちた。ところで僕は妻の前で渋柿を食べたことはない。

4/24
 この時期一日一メートル伸びる竹の子と争ってきた。下に見て優越感に浸れたのは初日だけで、二日で飛び越せなくなった。三日目には口争いでも勝てなくなった。四日目には婚約者を紹介された。結局抜いて食ったのだが、育ちすぎたせいか少し固く、茹でるのに大変時間がかかった。

4/25
 床屋で顔を剃られている最中に思い出し笑いをしそうになり危ういところで堪えたものの、堪えた自分が情けなく、また笑い出しそうになる。しかし剃刀はこちらの思惑など知らず動く。いっそ切られれば楽になると思い笑ってみようとしたがもう何で笑っていたか思い出せなくなっていた。

4/26
 今の妻には私の性癖を隠し続けているので、変態呼ばわりされて別れた前妻とのようなことにはならないと思う。私の性癖についてここで書くのは憚られる。ちなみに妻は産卵に戻ってきた鮭の群れの中に混ざらないと欲情出来ない体質なので、私は熊と戦うことに慣れてしまった。

4/27
 中世、退廃貴族達の間でこんなゲームが流行った。向き合って剣先を相手の胸に触れるか触れないかのところで保ち、お互いを罵倒し合う。激昂して相手を刺し、傷つけると敗北となる。相手を見事逆上させ、心臓を一突きされようものなら、完全勝利者として永遠の名声を得たという。



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2010年04月22日

ツイッターノベル4/14〜4/20

ハッシュタグ「#twnovel」の前か後ろに半角スペースが必要とのことで、実質131文字に訂正。でも正しくやっても検索結果に反映されないことがあってよくわからない。


4/14
「○町の交番に車で突っ込んでください」「電車の中で煙草を吸う輩を窓から突き落としてください」「今の首相を暗殺してください」といった内容のチェーンメールがよく来る。もちろん交番には突っ込まず、誰も殺しはしないが、時折指示通りに行動したらしき奴のニュースが流れてくる。

4/15
 美人ほど仕事をしない。体格の良い人ほど持久力がない。サボるのに熱心な人ほど疲れやすい。統計を取ったわけじゃないけれど、大体の見た感じ。目が三つ以上ある人は意外とエロく、内臓が空っぽの人は度量が広い。背中に羽根が生えている人も通勤時は飛ばずに歩く。これは経験則。

4/16
 四歳になる息子が最近将棋を覚えたのだが、既に私より強い。桂馬の使い方がどうも腑に落ちないらしく、自陣に置いたまま動かさない。その隙を突いて攻め込むのだがそれでも負ける。守りを固める気がなさすぎ、と息子は手厳しい。だから母さんも、と息子は言いかけてやめてしまった。

 私の小説の最初の読者はいつも妻だ。「よくわからない」「救いがなさすぎ」「下ネタ多い」などとありがたい指摘をくれる。だが指摘を受けて直したものを見せると、さっきの方が良かった、と言われる。「ますますわからない」「さらに救いがない」「下ネタしかない!」と怒られる。

 弦を引き絞り矢を穿つ子供が屋根の上で地団駄を踏んでいる。「射ても当たらん」町は的になるゾンビ達で溢れているが射手の腕はまだ未熟だ。弓兵の息子だった少年は元父親のゾンビも気軽に射る。嵐が来そうなので屋根から降ろす。大雨に打たれてゾンビ達は肉を流して土に帰っていく。

4/17
 生まれつき左手薬指が欠損していたので、結婚出来ない運命だろうね、と散々言われて育ったが、三度結婚している。前の二人は、僕が君の薬指になるとか阿呆なことを言う輩で、そんな男を選ぶ私の目も悪いのだからうまくいかなくて当たり前だった。ちなみに今の夫の手には小指がない。

4/18
 出荷された野菜に芋虫が原型のまま張りついていることは少なくて、大抵は潰れて緑色のゴミとして葉を汚している。肌色の汚れなら人の指、白くて固いものなら人の骨だ。肥料として優秀なので畑にはそこら中に人が埋めてある。男女一緒に埋めると稀に赤子が生えてきて狸に食われる。

4/19
 メロスは激怒した。「パン買ってきて」とセリヌンティウスが言い出したのだ。「サークルKで六十円の菓子パンが二個で百円だから四つ買ってきて。一個あげる」と二百円を出したのだ。メロスは怒りを忘れて走り出した。自分の分はシュークリームにした。二人で仲良く食べ終えた。

4/20
 抜きすぎた鼻毛を鼻の穴に戻した。毛穴に刺さるはずもなく、鼻息とともに吹き飛んだ。若死にした友に、だらしなく生きている俺の命を分けてやりたいと思ったこともあったが、そんな感傷はこの鼻毛みたいなものだろうと思った。亡友の話は嘘だが、鼻毛を抜いた痛みで涙はこぼれた。

posted by 泥辺五郎 at 13:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ツイッターノベル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月14日

短編二本とその他の話


「泥辺五郎短編集」に短編二本追加。

「ちんちんにリング状の爆弾を巻き付けられた話」(原案 静脈先生)

ちなみに原案は
「男にとっての大切な部分に、リング状の爆弾を仕掛けられてしまう。主人公は高校生。思春期特有の奔放なる性を必死の思いで押し止めて爆弾を外そうとする。だが、そんな彼に次々と襲いかかる性的場面。結末同性愛。劇終」
といった感じのものでした。

具体的なイメージが書かれてあったので非常に速く書けました。実質三十分ぐらいじゃないだろうか。主人公が高校生とか、ラストがゲイとか、書き出してすぐに忘れてしまった設定もあるけれど。
今読むと、作風や言葉遊びにいたるまで、まるで事細かに指示があったかのように思えるから不思議です。

「山に惑う」

山の中で熊さんと友達になるハートフルメルヘン。
一時間ほど一人で狭い山道を歩いていたら「ここで熊と出くわしても会釈してすれ違えそうだなあ」と思ったので出来た話。初めはモロに古井由吉の文体で、仮につけたタイトルも「山躁賦」だったりしたが、やりすぎると自分も冷めてしまうので手直しして題も改める。それでも文体の影響は多々あるけれど。


ところで、推敲って大変じゃないですか。
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posted by 泥辺五郎 at 23:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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