「世界の果て」所収「ゴミ屋敷」より
「実は、昔……僕は、ジャンピング・オナニーをしたことがある」
(略)
「考えたことがある……。もし空中で射精したら、どうなるんだろうって。……僕は押入れの段によじ登って、そこでオナニーをしたんだ。そして、突き上げてくる射精の衝動を感じた瞬間、僕は飛んだ。何かを、放棄するみたいに。僕は空中で射精し、空中に僕の精液が飛び散った……。でも、わかるかな。ふふふ。先に飛んだのは僕なんだ。僕は激しい腰の痛みと共に、先に地面に落ちた。そして、少し遅れて、精液が落ちてきたんだ、僕の頭上に」
(略)
「あの時、僕は思ったんだ。僕はもう一生、高潔な人間にはなれないって。僕は一生、ジャンピング・オナニーをした人間として、生きていかなければならないって。……あの時の悲しみは、まだ僕の胸の奥にくすぶっている」
(略)
「でももう僕は、何も恐いものなんかない。僕と、ペ、ペッティングしてください!」
中村文則wiki
あと童貞漫画アンソロジーとリア充漫画アンソロジーにこっそり参加しています。どちらも桑石先生の次でした。